日本の育児事情を考える

本当に必要な情報は?

幸せそうな子供を映したテレビコマーシャル。
保育所から届くお便り。
育児書や雑誌に書いてあるママの声。
楽しく育児をするための指南書など。

あまたの情報が溢れているこの世界。

どの情報が正しいか、自分できちんと考えて判断していますか?

  • 有名な人が、英語を習わせるべきと勧めていたから。
  • 仲の良い友達がスイミングに通わせていたから。
  • 今の自分と同じように、安定した生活を手に入れるためにいは、学歴が必要だから。
  • パパみたいにお医者さんになった方が、経済的に安定するから、あなたも医学部に入りなさい。

そういった理由で全ての物事を選択している人が、いかに多いか。
かくいう私も、以前はそんなふうに物事を選択している時期もありました。

お友達の家で習い事を始めたということを聞くと、うちも何かさせた方が良いのではないかと心配になり、何かしら始めることで安心したり。
習い事もたくさんある中で、テレビや雑誌、またママ友たちの口コミなどで全てを判断している時期もありました。

でもちょっと待って。

本当にその情報、あなたのお子さんにとって必要なものですか?
あなたのお子さんに適しているものですか?

十人十色という言葉がありますが、一つの絵を見ても、感じ方や見え方が十人それぞれに違うように、誰かにとって良い方法が、あなたのお子さんに良い方法とは限りません。

それなのに、「スイミングが子供に良いと書いてあったから試してみたのに、全然上手くならない」「あの人に勧められて音楽をさせてみたのに、どうしてうちの子は歌が下手なの?」などという声がたくさん聞こえてきます。

子供の才能は(子供だけではありませんが)一人一人違うものです。
得意なもの、苦手なもの、夫々に違って当たり前なのです。
分かりやすい例として、あなた自身のことをよく考えてみてください。

あなたは全てに対して万能な才能を持っていますか?
あなたは、全てのことがなんでも卒なくこなせますか?

得意なこと、苦手なこと、たくさんあると思います。
何故か知らないけど、子供の時から文章を書くことは全く苦にならない。
反対に、文章を書くことだけは子供のころから苦手。だけど数字の計算については何も考えなくてもスラスラできてしまう。
学校の勉強はほとんどできないけど、歌を歌うのが本当に好き、など。

そんな風に、人の才能は生まれ持って違って当たり前なんです。

自分のことは、得手不得手があって当たり前。私はこれは苦手だから、なんていう癖に、こと子供のことになると「これができる、これができない、全くうちの子は」となってしまうのは何故でしょう。

得手不得手があって当たり前という考えに立ち返れば、「なんでうちの子は・・・」なんて思う必要がないのに。

子供のこととなると、その子供の本来持つ得手不得手を考えずに、世の中の情報に惑わされて、あれこれやらせてみる。
そして結果がついてこないことを嘆く。

そんな習慣を、そろそろ見直してみませんか。

その子供の、本来持っている素質や資質をよく観察してから、その子が喜ぶことをさせる。こんな風に進めていくと、親にとってもストレスがなくなることを実感できるでしょう。

異常事態を感じているか

日本ではワンオペ育児という言葉があるように、母親だけが何から何までやることが当たり前の美学のように言われている現状があります。

【ワンオペ育児とは】

配偶者の単身赴任など、何らかの理由で1人で仕事、家事、育児の全てをこなさなければならない状態を指す言葉である。母親1人を指す場合がほとんどで、「ワンオペ育児ママ」という派生語もある。「ワンオペ」とは「ワンオペレーション」の略で、コンビニエンスストア飲食店で行われていた1人勤務のこと。1人で全てをこなす過酷な状況から、それを行っていた企業がブラック企業だとして社会問題となった。こうしたブラック企業の「1人で全てをこなす」状況と近いことからネットを中心にこの言葉が使用されるようになった。(2016-9-21)

引用元:コトバンク

どうしてこんなことが起こっているんでしょう。
そして、外国では育児はどのように考えられているのでしょうか。

色々な意見があると思いますが、私は日本の育児状況は、まだまだワンオペ育児が主流だと思っています。
イクメンなどという言葉がもてはやされてはいるものの、結局最終的にはママでなければ解決できない問題だらけのように思われているのではないでしょうか。

日本のワンオペ育児の裏には

  • 母親なら子供のことを全て背負う覚悟で生きるべき
  • 母親は産んだ責任として子供のことがすべてできて当たり前
  • 子供のことが0から10までできないなんて、母親失格
  • 男は外で働く、女は家と子供を守る

もう平成が終わろうとしている現代においても、日本ではまだまだこのような考えがはびこっているように思えます。
子育て中の親自身はそういう考えではないとしても、一緒に暮らしている両親がそういう考えだったり、周りの親戚がそういうことを常に言っているような環境で生活していたら、知らないうちに自分もこんな思考が当たり前、普通と思ってしまっていても不思議ではありません。

  • こんな考えが裏にあるから、全てのことを完璧にこなしていないと、母親としてダメだと思われる
  • やることがたくさんあり過ぎて大変だけど、みんなやっているから私もやらなくちゃ
  • しょっちゅう愚痴を言い合っているママ友も同じ状況だから、私ももっと頑張ろう!

そんな考えになっていませんか?
でも、それって本当に、そうなんでしょうか…?

海外では、日本とは全く違う育児の概念があります。
ヨーロッパでは特に

  • 母親である前に、一人の人間であり女性である
  • 育児の期間においても、母親の人権が尊重されるのは当たり前
  • 女性だけが子育てを担うという考え方自体が薄い
  • 男性が育児をすることに関し、日本ほどの特別感がない
  • 親の世代においても、そういった考え方が普通になっている

もちろん、日本だってヨーロッパだって、色々な考えの人がいますから、みんながみんなこういった思考だけの人ではないと思いますが、あくまでも傾向として、こういった特色があると考えています。

今の世の中で、日本の古い思考のまま育児を続けていると、とても苦しくなるシーンが多いのではないでしょうか。

  • 美容室に行きたいけど、預ける先がない。保育所は仕事の時しか預けられないし…
  • とにかく一人の時間が欲しい。でも、誰も子供を預かってくれない。保育所はそんな時使えないし。
  • ずっと子供と2人きりで、なんだか疲れてしまった。でも私より大変な人がいるから、誰にもそんなこと言えないし・・・
  • 子供の行事や、子供を病院に連れて行く時しか、会社の休みが取れない。ほかの理由で休みを取るなんて、周りの人からどう思われるか…

こういった思考がはびこっている現状、私はかなりの異常事態だと思っています。

あなたも、異常だとおもいませんか?

母親が、一人の人間として女性として、美容室に行くことが悪でしょうか?
母親が、時に一人になりたいことを優先させて、誰が文句をいう権利があるのでしょうか?
母親が、楽しい、嬉しいを実感しないで、楽しく子育てなんかできるでしょうか!?

私は、大きな声で「NO!」と言いたいです。

普通が何かわからない

普通というと、どんなことを想像しますか。

一般常識?
大勢多数の人と同じ意見?
テレビの情報が普通?

普通ってなに?そんな疑問を子供たちが抱いています。

テレビから流れてくる情報は、本当なの?

そういう質問があった時、あなたは子供になんと答えますか?
もし答えが出ないあなたは、今からでも遅くありません。
真剣に考えて、その答えを見つけてみてください。

【広辞苑より】
・ひろく一般的であること。多くに当てはまること。
・どこにでも見受けられ、他と特に変わらないこと。

そういう風に定義されています。
ただし、それが良いのかどうかは全く別の話し。

日本では、広く一般的である「高校へ行く」という行為が、人によって良い経験になるかどうかは、その人の素質や資質によって変わってきます。

スイミングを習わせる人が一般的である社会において、水泳をしたくない子供を無理やり通わせることが、その子によって良いかどうかもわかりません。

どこにでも見受けられる企業のサラリーマンになることが、10人の子供10人にとって良い選択になるかは、分からないことです。

普通という言葉は、ただの言葉。

普通という言葉に属するか、属さないか決めるのは、子供自身です。

普通だから、一般的だから、そういう理由で物事を選択するのではなく、お子さんの気質や資質をよく観察すること。
そして、子供が心から喜ぶことがどちらなのかをよく観察して選択していくと、より素晴らしい結果が待ち受けていると思うのです。